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校正畏るべし

【羽海野チカ「3月のライオン」2巻発売!(Young Animal Web】から年越しを迎えようとしている。
作中でも新年を迎えたばかりで現実が追い付きつつある中(作中年次は'08年?と思われるがさて置き)本誌【'09年01号】に掲載されたChapt.24を味読した(本文はネタバレ成分にご注意されたし)。

川本家03姉妹に叔母さん迄登場して『フクフク』にされて帰宅した零君が、数日後の朝を迎えた。
寂寥がぶり返して冬期休暇期ならではの哀愁と寒気を纏った河畔へ出、自分探し初め?に取り掛かる。
今回の描写は又一段と活字が多く、齣外のpoemに至ってはP.66-72で書体迄03種類は換えている様だ。
文字全体では、上記中で活字を「読者解説兼用無言随想poem・同無言随想・同随想台詞・擬音」書き文字を「擬態語・印刷物」と計05種類用いている。
棋譜用紙が出て来たら06種類になっていたにせよ、後に棋譜も登場しており校正者のご苦労は想像に絶する。
あれだけで所謂活字離れへの休載救済にさえなりそうだ。
棋士の場合は子供の頃に棋書や観戦記掲載の新聞に触れて活字好きになる事が多く、私もご多分に漏れない。
零君の場合将棋から離れた日常が嫌~という程描かれているにも拘わらず、棋書以外の活字に目を通している描写が無い(高校通知表のみ?)。

Chapt.01冒頭の香子嬢発言に、

本も読めない

を付け加えたくなる位で幸田家の「教育」の程度が伺える。
同じ教育を受けてしまった香子嬢は、知的な悪女を目指すべく読書やweb閲覧に励んでいるだろうか。

tournament proとしての現状を再確認しつつ対局のみの自分と見定めて闘志を搔き立てる零君は、

順位戦は今期はあと3局
今の所 4勝3敗(P.71 02齣目依り引用)

と語っている。
散々悩まされた、Chapt.14・02巻初版本のP.19 03齣目で04勝02敗となっている順位戦([第67期C01級順位戦・連盟公式)])成績表は誤謬と確定した。
今更だが表の氏名表記が『>桐島零』になっており、増刷分で何とかされるだろうか。

唯一 勝ち進んで
いるものが
来週に迫っている
「獅子王戦
挑戦者決定
トーナメント」(P.71 02齣目依り引用)

ともあり、Chapt.05で語られている獅子王戦06組tournament([第22期竜王戦06組(日本将棋連盟公式)])・VS二海堂晴信(はるのぶ)四段(桐山△・勝)から順調に勝ち進んだ事になる。
あちらの盤面上下描写及び棋譜表記は、元棋譜たる第42期王将戦07番勝負第04局・谷川浩司王将(勝)VS▲村山聖(さとし)挑戦者を敷衍している。
符号こそ登場しなかった!Chapt.01のVS幸田先生(桐山△?・勝)の盤上下や、符号付きのChapt.03 VS松本一砂(いっさ)五段(桐山△・勝)の全体はそれぞれの元棋譜と変わらない。
今迄は一般的な将棋解説に基付く「盤面下側が先手と明記されるかはともあれ、主役級は上(後手)で一向に構わない」棋界作品の常識に収まっていたと言える。

対局当日の将棋会館に赴き、

---それは日本で最大の新聞社 主催の棋戦で
名人戦と並ぶ 2大タイトルの一つだ(P.72 01齣目依り引用)

等と解説している。
称号自体と争奪戦を混同している点はいいとして、わざわざ角が立つ様な所だけ社会性を発揮しないでくれても良いような物だ。
「実は順位戦惹いては名人戦が主催新聞社共々比較にすらならない」か「規模はともあれ新聞社の手を離れた」という状況かは、ともあれ。
共に本戦tournamentに臨むスミス六段が現れてwetな挨拶の後、

さあ 取り行くぞ
桐山!!
バーカ
決まってる だろーが
地位
名誉
金っっ
全部だよ(同上05齣目-P.73 02齣目)

と大はしゃぎしているが「獅子王戦に在らざればtournamentに非ず」的腐臭漂う発言である。
尤もどんな棋戦でも大小差こそあれ全部入手出来るので、零君の解説に依る印象操作の所以と言えなくもない。
彼の様にお金の使い道を教えられず高額賞金に対しても他人事じみていると、それはそれで侘びしくもなる。
「maid兼真剣師」はともあれ携帯通話やpacket通信でありとあらゆる物が頼めそうだし、川本家に対してもChatp.08で二海堂家執事の花岡氏が音物を携えて来た時に「別の事」を悟り得ても良い筈だが。

スミス(三角龍雪[みすみ・たつゆき])六段の対局たるVS横溝億泰(よこみぞ・おくやす)八段がP.74 04齣目から描写されている。
同室の横並びで▲零君VS辻井武史(つじい・たけし)九段が指されているが、お互い下座である筈のスミス六段と零君が横並びになっていない。
現実の東京将棋会館では、04F特別対局室なら硝子障子の位置でスミス六段-辻井先生側が上座・高雄の間なら零君-横溝八段側となる。
宗谷冬司名人(04冠)の対局次第でどちらもあり得るが、ここはどこかで伺った様なお名前の辻井先生が

あかん 下座に座ってしもざー!
桐山君は上座で将棋の神ざまのサバキを待て なあんてね・・・・・

等と仰りつつ下座を占めたと判断する(『エステー科学』は表記上固有名詞ではない。遠い未来に映像化される折は改められるにせよ)。

最強の攻撃力を持つ棋士だ・・・色んな意味で・・・(P.73 02段目齣外依り引用)

対する零君はのっけからgagを飛ばされて感慨しつつも、

--------でも なんか・・・・・・超負けたくない!!!(P.74 03齣目依り引用)

と熱い闘志を燃やしている。
充実した生を満喫している様で大いに結構だが、将棋界の一員として自覚が出来て以来A級八段を維持し続け(低い声の元竜王兼現A級棋士とも特別な間柄の)辻井先生をrival扱いすれば事足りるだろうか。
ベルンハルト=フォン=シュダイダー銀河帝国軍少佐が世にあらば、

「それとも、幸田家には、礼儀などという物は存在しないのか」

と一喝して見せるかも知れない。
しかし乍ら、後藤氏(後述)は如何にもそんな柄でない物の今迄一度も棋士に対する呼称として「先生」は用いられていない様だ。
私も大分後輩棋士が増えて来たので、相応しいかはともあれ日頃「先生」と呼ばれるか「さん」かは気になる。
将棋会館で掃除係のおばさん(非日本人らしい)はご挨拶の折りに『先生』と呼んでくれるにせよ。

スミス六段の局面自体は公式戦での実戦例こそないが類型は数多く、表記されていない物の持ち駒は下が02歩・上が01歩となっている。
元棋譜は'91/03/05に行われた第49期A級順位戦最終戦・▲南芳一(よしかず)02冠VS塚田泰明(やすあき)八段(勝)であろう。
月刊将棋マガジン(休刊)'91/05月号・河口俊彦(としひこ・現七段)筆・対局日誌から当該部分を引いてみる。

ダウンロード 081226A.jpg (164.9K)

(前略)第5図は(註:上部file)南~塚田戦の序盤だが、ここで△2三歩といった手を塚田は指さない。一歩を活用するのである。
第5図からの指手
△8五桂 ▲8八銀 △6五歩 ▲同歩 △6六歩 ▲6八金引 △6五飛 ▲7九玉 △4四角 (第6図)

P.74 04齣目の▲6六(△4四)角が登場した。
▲2四歩と突く直前では現在迄に上記対局を含む28局の同一局があるが、20局で先ず右桂馬の活用を狙う▲3六歩が指されている。
▲2四歩△同歩▲同角△8五桂▲8八銀△6五歩▲同歩△6六歩と進んでからは06局あり、本譜の▲6八金引か▲5七金△6五飛▲6八歩に大別される。
初期は先手も善戦したが、何れも△4四角の登場以降は計02勝04敗と揮わず追随者も途絶えている。

ダウンロード 081226B.jpg (164.9K)

▲8八銀と引くとき、南は昼休みをはさんで99分考えた。危ないけれどしのげると読んだのだろう。▲4六角と引けば堅いが、銀桂交換を許すのでは気合い負けだ。
△6六歩を利かして△6五飛は気持ちのよいさばき。対して▲7九玉は△6七歩成▲同金直△8八角成の筋を防いだもの。屈服したが、▲8六歩の楽しみがある。
そこで塚田は△4四角(註:上部file)と出た。大胆きわまりないが、9分しか考えていないところを見ると、研究してあった手なのだろう。結果から推して、ここで南がハマっていたのである。

河口先生はこの新手に対して驚きを隠せないご様子で、塚田先生らしい正に魅せる一手だ。
南先生が長考なさって▲8八銀と引いた際に△4四角を予期しておいでか定かでないが、一直線に進んだ後に従来は△3三桂位しかない後手が決定力不足だった。

ダウンロード 081226C.jpg (164.9K)

第6図からの指手
▲4二角成 △同金右 ▲2一飛成 △3一金 ▲2八龍 △2七歩 ▲3八龍 △2五飛 (第7図)
角を切って飛成りは、誘われた手だが、乗るよりしょうがない。▲4六角は、△2六歩▲9一角成△2五飛で受からない。
竜は作った物の、△3一金で▲2八竜と自陣に引くのでは威力半減だ。そればかりか、△2七歩から攻撃目標にされ、第7図(註:上部file)となって、はっきり優勢だ(後略:図面はP.74 01-04段・文章はP.74 02段04行-04段04行依り引用)。

あちらの将棋は棋譜が全て先後逆となっているので、見にくいが併記する。
▲4二(△6八)角成からの反撃はP.75-77 02齣目でも詳説されており、猫駒を交えたcomicalな内容で今後の活躍にも期待大だ。
突貫しなかった場合は上記の通りとなり、▲8六(△2四)歩と突いた場合も飛車の転回で大勢が決する。
Chapt.24・P.75以下の横溝八段は某六段と違ってご自分の立場を弁え、fansの皆さんに成り代わった思考に徹している。
銀将&桂馬対角行の02枚替えで龍王も作れば普通良いし、自陣への龍引きも利益を踏まえた物で理に適っている。
続く▲8三(△2七)歩で毒栗投げを食らった様に痺れているが、8二(2八)に飛車か龍王がいてその筋で歩兵を打たれ得る格好なら、嫌でも叩きが見えてしまう。
未だしも「『△7二(▲3八)龍とよろけて、▲8二(△2八)角なら△9二香(▲1八)香▲9一(△1九)角成に△8三(▲2七)龍で受け切りだ』と思いきや平凡な▲2五(△8五)飛をうっかりした」なら判らなくもないが、

8三歩を取ると→△同龍▲6一角△8二龍▲4三歩成 取らなくても→△7二龍▲8二角 で厳しい(P.77 01齣目依り引用)

とまるで良い所がない。
尤もChapt.24原図ではからくりがあり、何故か南VS塚田での△6五飛から左銀を▲7九銀と引いた事になっている。
河口先生ご指摘の『▲4三(△6七)歩成△(▲)同金直▲4三(△8八)角成』に対して、左銀を逃がしているが所謂「ここせ」「接待将棋」と言える。
実際、右翼で△8三(▲2七)龍と一息付いた後に▲4三(△6七)歩成△(▲)同金直に▲1一(△9九)角成と左翼を突破されてしまう。
そもそも角上がりで格好を付けなくとも、▲4三(△6七)歩成△(▲)同金直▲1一(△9九)角成といきなり乱入して必勝だった。
以下、△4四(▲6六)歩に▲(△)同馬△(▲)同金▲(△)同飛△4三(▲6七)歩▲5四(△5六)飛△5三(▲5七)銀▲8三(△2七)歩△(▲)同飛▲8四(△2六)歩△(▲)2八飛▲3四(△7六)飛△3三(▲7七)歩に▲3五(△7五)飛と一息入れる位で壊滅状態となる。
▲4三(△6七)歩成に△(▲)同金左も、▲1一(△9九)角成からの▲2一(△8九)馬が玉将の脇腹を抉って強烈だ。
ここ迄指摘しては、隣で感心の溜息を漏らした零君や辻井先生がお気を悪くするとした物にせよ。

因みに、

ヨコミツ氏 (右向き△)銀と桂を手にしたまま 2八地点で息絶える・・・(P.78 02齣目依り引用)

とあり手数も辻褄が合うので「他の全ての符号が先後逆で誤植だ」と決め付けてしまったが、

先手↓三角龍雪(スミス)
後手↑横溝億泰(P.74 04齣目依り引用)

と明記してある以上は今迄の「主役級が盤面上段を占めている将棋」とは別に扱い、P.78 02齣目こそ誤植だと素直に解釈すべきだった。
先に、

実は拙著にも03箇所程誤植が存在し([変幻自在!窪田流3三角戦法(棋書ミシュラン)])、02度の著者校でゲラ刷りを手直しし過ぎたと反省している。
とは言えこれは猛省を促したい。

と決め付けてしまったが、将棋に関する専門的知識に乏しい末端の編集部員&校正担当者を責めるが如き詮無い言い草だったかと反省している。
棋士は脳内将棋盤の先後(1一の位置)を簡単に入れ替えられる。
私の場合は棋譜並べの際も後手振り飛車なら盤面下段として一手一手を逆に並べているし、勝った側を下側にする方もおいでだろう。
とは言え、下段側を後手にして符号で説明すると初心者は棋譜再現すら困難になる。
斬新さは盤上革新の要であるし普及や指導に関しても本作の様な形で価値を発揮するが、生物進化の過程を挙げれば適者生存&自然淘汰に呑み込まれた例も枚挙に暇がないだろう。

零君VS辻井先生も零君の勝利で終わった。
元棋譜は[第33期棋王戦05番勝負第01局・▲羽生善治挑戦者(勝)VS佐藤康光棋王(京都新聞)]で、P.74 04齣目には69手目▲6五銀か70手目△2二玉の局面が描かれている。
凄まじい泥仕合で作中の描写にピッタリ一致しており、後手01手損角代わりを採った点は侘びしいが「ツジイシステム」復活への試行錯誤として我慢する。
最後に若手同士で04Fを出ようとした所へ香子嬢の愛人たるDV男の後藤氏と出食わしたが、何と棋士だった!!
香子嬢がどこぞの家政婦さん宜しく非当事者ながら棋界通を維持している辻褄が合ったが、つくづくこちらの棋界は良き家庭人に恵まれていない。
[辻井九段の中の人(連盟公式)][初代永世獅子王のmodel候補(同左)]は専業主夫を思わせる日々である旨ご本人達の筆もあり良く知られているが、どこか遠い世界の様に感じられる。
enjoy&excitingなひどく猛々しい容姿の後藤氏の呼び掛けで興味津々の引きとなった所で、'09/01/23(第04金曜)発売・No.03号での?連載再開を待ちたい(次号予告には案内なし。話末は『>次回につづく!』)。

一昨日-「△(指し掛け)leftright」。昨日-「○(勝利)upwardright」。本日-「●(敗北)downwardright」。

こよいは、ここまでにいたしとうございます(by【大井夫人@武田信玄】終話挨拶依り)sun('08/12/29 1300 大幅追加改訂)。

追記

横溝八段は何となく家族構成が気になるお名前だが(兄死亡?)、スミス六段の活躍を描く為とは言え余程頭が足りない設定になっている様だ。
某奨励会二段が以前語ってくれた、『強大な超能力を持った人物を味方にしたので、知力を下げてbalanceを取った物語』を想起する。
方や辻井先生は「如何にも」強豪として描かれており、近似した段位にしては横溝八段との懸隔が甚だしい。
横溝八段のお相手たるスミス氏は六段にせよ、辻井先生のそれは並の五段ではない。
無論事情通の皆様は「散弾銃を撃てば九段の先生方に当たってしまう」位の状況にある旨ご存じだろうが、次巻たる03巻で余程痒い所に手の届くcolumnがないと怪訝なままの方々が出そうだ。
02巻P.122 先崎学のライオン将棋コラム④ プロ棋士の命、順位戦ってなあにを熟読なさった方なら、

あんなもの(段位)は飾りです。偉い人にはそれがわからないんです。

と呟かれるかも知れないが。

冒頭に戻り、零君は相変わらず「悪かった探し」が得意で今更ながら眼を見張る。
ama強豪の樋田栄正(ひだ・ひでまさ)氏が昔教えて下さった所では、東大将棋部で『良かった探し』が流行ったそうだし、私も半分gagとして試みるには悪くないと思う。
『零君もぬくぬくするとそのまま停滞してしまう旨言っているから、私も将棋にうつつ等抜かしていられません』等と仰る方はおいででないにせよ。
因みに私が聞き及んだ所では、『一緒に行楽した折に足を怪我したら背負って介抱してくれた異性に、【優しくされて気を許すと背信された時に取り返しが付かない】と憂慮して戦力外通告する』話が一番凄惨だと思ったが・・・

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コメント

 職業上、編集者的立場で「クライアント」の文章を校正することもありますが、厄介なのは、土壇場になるまでやる気に欠けるタイプの「クライアント」ですね。私自身は幸いそういうタイプからは少し離れていますが、概ね売れる見込みのない場合ほど「クライアント」に熱意もなく、ただ誤情報や既存の文章の流用を放っておくわけにもいかないというので、それに対する訂正・修正を、印刷ギリギリに入れてきます。しかも書籍出版と違い刷り上がり延期はありえないので(開発の問題は稀に発生するにしても、それ以外の理由での遅滞は厳禁)、担当の同僚は「クライアント」に殺意を覚えている(ように見える)ことにもなります。

 窪田六段の誤植の場合は、熱意の結晶としてギリギリまで妥協を許さぬ仕事ぶりをした結果でしょうから、読者はそれこそ「やさしさ溢れる」まなざしで愛読されているかと思われます。結果として初版完売間近ということも何よりです。

 雑誌出版の現場も、もちろん刷り上がり延期はありえないわけです。もう一度今週号の「3月のライオン」を見ていると、p78の「辛くも勝利を納め」は「収め」だよなあ、という点も当然気になりました。あと、p74の4齣目以降席次の上座・下座配置が段位順になっていないのですね。それこそ、B級2組所属スミス六段の方が順位不明の横溝八段より順位は上、なのでしょうか(あるいは獅子王戦所属組で上位か)。それにしても、現実の棋界の慣例からは外れているようです(もっとも、今年度の棋王戦トーナメントの島-久保戦では、島九段が久保八段に上座を譲る光景があったそうですね[「後藤氏」とは何の関係もない後藤元気記者による観戦記を参照しました])。ただ、これらの点、そして窪田六段ご指摘の点を含め、私は「積極的にプレイした結果のミスは許容する」というある種の野球・サッカー監督じみた立場をとっているアマチュア読者ですし、もちろん羽海野先生も、私の身近の「クライアント」とはちがい、むしろ窪田六段同様ギリギリまで妥協を許さぬ仕事を追求されるプロと思いますので、羽海野先生及びヤングアニマル編集部には、萎縮することなく独自の将棋観を構築して欲しいと願っています。

かの格言は「金時計おじさん」こと福地桜痴(ふくち・おうち)氏に依るそうで、流石にjournalistの鑑だけはあると感心しました。一介の棋士たる私も洒落っ気はさて置き、再度著者校に携わる機会が待ち遠しい物です。
他者の誤謬を関知する能力をどう活かすかで、社交性や棋士根性が露わになるでしょう。零君の場合、盤上を離れると偶に斜め上の方向に発揮される様です。
「読者としてゲラに徹するべきだとは判っておるつもりやけど・・・(何故か関西弁表記)」。
commentからは逸れる様ですが、Chapt.24・第01棋譜の元棋譜候補が掲載された将棋世界('91/05号)と将棋マガジン(同上)を持っている身として「▲スミス六段」とは認めたくありません。棋士として上側が▲表記の図面も生理的に受け付けません。P.77 02齣目が誤植だと判定した方が、より自然に辻褄合わせが出来るにせよ。
香子嬢が物理的DVに曝されているか確証はありませんが、女優魂で顔への攻撃だけは回避している物と判断します。後藤氏にしても、『香子様』相手でさえ容易く冥府の河を進む『良い船』に乗せられはしないでしょう。

校正畏るべし、という出版業界の「諺」があることを、先ほど検索して初めて知りました。言い得て妙だと思います。私も隣接する業界で働きつつ、日々校正を為す身として、肝に銘じます。

ただ、もともと校正は割と得意な方でもあって、要するに他人の失敗に気づく能力には長けているというか、でもそれは実は人間性としては嫌な資質の面もありますね。また、そういう能力の優劣は将棋でもあるように見えます。プロの将棋ですと相手のちょっとしたミスにつけ入ることができるかどうかが勝敗を分けることが少なくないように思います。

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