2016年6月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

カテゴリー

最近のトラックバック

« 更新履歴 | トップページ | 第67期C01順位戦初戦報告 »

名もなき烈情

[3月のライオン01巻(白泉社特集page)]も発売され、大人気を博して久しい。
久々に連載再開となった【No.11号(Young Animal)】掲載のChapt.14?を読んだ(以下ネタバレにご注意されたし)。

今回は、二海堂君fansの一員として感涙にむせんでならない。
良くみるとChapt.及び表題が記されていないが、空気を読んで些事と見なして単行本に期待させて頂く。

川本家の02女ひなたと、幼馴染みの高橋君との恋話の後、MHK杯での零君の対局をvideo鑑賞する流れになり、解説者として我らが?二海堂君が登場する。
[NHK杯TV将棋トーナメント(公式)]では四段の解説者はあり得ないが、ここは素直に主人公特権に従いたい。
何れかの関係者たる師匠や弟子・同門等が解説を務める場合も多いので、零君側であれば或いは・・・・・・
松本五段を撃破した後の本戦かは定かではないが、局面及び手順は'71/06/04-05に行われた第30期名人戦第06局・大山康晴名人(勝)VS升田幸三挑戦者(先)が用いられている(参考・[将棋順位戦データベース(第30期名人戦七番勝負)])。
升田挑戦者側が零君だけに、相手は宗谷冬司(とうじ)03冠並の大物であろうか。

先手 4二馬(註:91手目・P.56 01-02齣目依り引用)

との読み上げ係の声に、

うっ うわああ 何て事するんだ 桐山ァァァァ(P.56 同上)

と二海堂君が絶叫しているが、実戦では02手前の▲6四馬(89手目)が敗着となった。
▲3七銀引と02筋を守り、3四馬の脅威と持ち駒の香車を活かした△2五歩からの攻勢に備えれば、後手陣は06-09筋に遊び駒が多く先手も十分戦えた。
その後も、

本当に勝ちたいんなら 粘れっっっ 攻めるだけじゃなく ちゃんと守れっっ(P.57 02齣目)

と激情に満ちた解説でらしさに満ちている。
尤も実戦では、升田挑戦者のjabに対し浮飛車を執拗に狙って大山名人が反攻し、升田挑戦者は攻防一如の応手を連発して粘り強く守りつつ、薄い後手陣を突破する好機を伺っている。
対する大山名人は再反撃の端緒を掴ませない様丹念に対応し、(05/27 09:00記載)遂に▲6四馬と堪忍袋の緒が切れてしまう展開となった。
解説者としては私情や語調、聞き手を初めstaffとの非協調云々以前に、的外れも良い所である。
現実であれば、動画投稿sitesを巻き込んで棋界に極彩色の話題を惹起したであろう。

只、零君も

いえ 彼のいう通り これ(註:▲4二馬)が敗着の 一手でした(P.56 02齣目依り引用)

・・・・・・・・・ 相手がガッチガチに 堅く囲って オレのミス待ちで 全然動かないから ・・・なんか 「じゃあミスするかどうか やってやろうじゃないか」 って思って」(P.56 02-03齣目依り引用)

と、虚ろな眼差し&立て膝(対局中継の影響もあって昨今の若手棋士では減ったが、対局後の感想戦で良くある姿勢。先輩相手では憚りがある上、棋士の職業病たる腰痛の一因となりお勧め出来ない)で回想している。
元棋譜と戦況の乖離は今迄見られなかったが、今後は今少し柔軟に解釈すべきかも知れない。
「▲4二馬が91手目かさえ怪しい」と見なした方が、辻褄合わせもぐんと楽になる。
(05/27 09:00記載)

ともあれ、

自分を大切にしてくれっっ 桐山っっ(P.58 02齣目依り引用)

という悲憤慷慨に胸を抉られた。

盤上での自殺願望だっっっ 心の生命力が衰微しているんだっっっ

等という表現だと、鬱系回想scene開幕を告げる拍子木が音もなく響いたであろうが、流石は二海堂君と言うべきか。
二海堂君の独擅場に概ね満足しつつ、一応斜め上を行く突っ込みささやかな問題提示も述べたい。

いいかっ? 一度しか言わんっっ ------あっ でも 大切なコトだぞ?! いいかっ 桐山っっっ だから むしろ ビデオに録って 何度も見ろっ!!!(P.59 02齣目依り引用)

という二海堂君の真心の籠もった諫言だが、強いて言えば希少さを強調すると重要性が増すので、

------ あっ でも

ではなく

それだけ

が正しい。零君も友情の為せる業か釣られて、

だいたいこのヒト 言ってることが おかしいよ 「一度しか言わん」もきー → 「だからビデオに録って何度も見ろ!!」って も、ぜんぜん意味わかんないん(註:半角)けど!?(P.60 01齣目依り引用)

と応じてしまった。
高校担任の林田高志(たかし?)先生が担当教科の講義で、「今度の試験での最重要点を伝える。一度しか言わないから、筆記なり録音なりとって良く調べる様に」等と伝えた際に、零君が『先生、仰っている事が・・・・・・』という風に突っ込んでしまうかも知れない。
「ま、まあ桐山は将・・・・・・一度聞けば暗記出来るし要旨も身に付くからな。でもみんなは残さずとって理解出来る迄当たって欲しいぞ」。
とfollowingしてくれるにせよ、同級生の反応次第では02度目の転校が懸念される(微苦笑)。

と言いつのりつつも零君の激昂自体は、ひなたの

れいちゃんの でっかい声 初めて聞いた なんか楽しいね(P.60 03齣目-P.61 01齣目依り引用)

という溌剌たる笑顔を湛えた呟きに、激しく同感する。
沈鬱な回想scenesを出現させずに、零君の心を開かせるなり解放なりさせるには全く手間が掛かる。
諸葛丞相と豊太閤殿下とAnne Sullivan先生を一度に召還でもしないと、難しいかも知れない。
無論、3月のライオンはlove storyにはなるにせよspiritualではないので、一芸系分野の一員として尊敬と共感を捧げた、高橋君の存在が格好と言える。
先の発言に際しても

たしかにっっ!!!(P.60 01齣目依り引用)

と気圧されてしまった物の、

でもっ 二海堂さんの 親友を想う気持ちは オレ 本当だと思うっす!!!(同上)

と、私を含む読者を代弁して熱く語ってくれている。
川本邸で、零君と二海堂君と高橋君の03者面談に発展しないかと期待してならない。
二海堂君用の食膳を見た高橋君が、「随分気を付けておいで何ですね。祖父と父が『棋士は食卓にも気を遣うんだぞ』と言っていました」等と感心だけしてくれるだろうか。
対局では得てして好手や悪手を察知すると相手にも伝播するが、零君が今頃になって感知しない限りは大丈夫そうだ(05/25 23:59記載)。

本日-「△(指し掛け)leftright」。
こよいは、ここまでにいたしとうございます(by【大井夫人@武田信玄】終話挨拶依り)sun

« 更新履歴 | トップページ | 第67期C01順位戦初戦報告 »

主要趣味」カテゴリの記事

将棋作品」カテゴリの記事

将棋界」カテゴリの記事

コメント

 ご返事どうもありがとうございます。
 私は少年少女問わずマンガをあまり読んでいないので、先に挙げた作品はたまたま目に触れたものですが、「少年マンガの定跡」=友情・努力・勝利(ジャンプシステム)が苦手なのは、零くんと似ているようです(ちなみに、今読み返してみると、単行本第1巻51ページの二海堂くんの台詞では「友情・努力・親友」が「少年マンガの定跡」となっていますが、これではちょっと平仄が合わないですよね。でも、それもまた二海堂くんらしい)。羽海野チカさんは「純粋な」少女マンガ家というより少年マンガの影響をかなり受けていると思いますが(だから「ハチミツとクローバー」が男性読者にもかなり受け容れられたのだとも考えますが)、同じようにある種微妙な位置から創作されていた岡崎京子さんの「リバーズ・エッジ」は、いわば「3月のライオン」の彼岸から同じ川riverを眺めたような作品で、こちらも私は好きです。両作品の舞台自体が、たぶん近い場所だと思います。私自身川べり育ちでもあります。
 私が、ちょっとどうかな、と思う「漫画的」表現は、何となくしりあがり寿氏っぽい(?)、「ヘタウマ」系感情表現で、私はもともと、しりあがり氏の作風がはっきりいって嫌いなのです。もっともそれは「3月のライオン」では辺縁的な要素として消化=昇華されていますので(「ハチミツとクローバー」ではそれが随分濃厚でした、あれはギャグ漫画だと知人は言っていました。)、基本的なところで私には共感要素が多い作品です。
 森門下を連想したのは、まず単純に、森信雄七段のブログでよく動物の写真を拝見していて、犬2匹と鳥1羽という森家の組み合わせを猫2匹と鳥1羽の組み合わせに変形したのかな、と推測したということでした。森家の犬も川本家の猫も食欲中心に生きているのが質実で微笑ましいし、鳥は両家ともちょっと珍しい種のようです。もっとも川本家のフクロウ(?)は今のところあまり活躍できないままで、羽海野さん自身の猫族への熱愛によって片隅に追いやられてしまった感がありますね。あと、たまに出てくる白猫は「近所の野良猫」でしょうか。ちなみに我が家でも猫族(1匹ですが)の食欲を日々目の当たりにしますが、窪田六段はブログの上にいるような黒猫をお飼いでしょうか。
 村山九段については単行本1巻「先崎学のライオン将棋コラム」の「4」に、こうありますね。《ところで実在のモデルがいるかどうか悩む3月のライオンですが、ただひとり、二海堂君だけは、よく似てるという棋士がいます。故村山聖九段が、その人です。小さいころから体が弱かった村山九段は、そのことをおくびにも出さずに将棋界の中で闘いつづけました。「名人になりたい」が彼の心の支えだったと思います。そして二海堂君同様、ちょっぴりお茶目なところもある人間でした。(ちなみに体型もそっくりです)》。そもそも「実在の人物・団体・事件などには一切関係ありません」と巻頭に明記されているし、実際「大金持ちの子息」というフィクションも付加されていますが、それほど「想像を逞しく」しなくとも連想はしやすかったです。
 以上、取り急ぎご返信いたします。

こちらこそ初めまして。良くおいで下さいました。
『3月のライオン』entriesへの皆さんの反応は、正直余り期待していませんが(苦笑)、『ハチミツとクローバー』迄読んでおいででしたか!

私の場合、成り行きと言うよりは零君の人生に春が訪れる迄の壮大なstoryが構想されている、と考えます。
尤も、Chapt.08から煽り文句が『川の流れのようにゆっくり進むラブストーリー』に変更された折は、「現実に即応している面もあるのかな」と思った物です。
漫画的表現に関しては、私は少女作品に造詣がありませんので、「如何にもfancyな作画」にせよ「少年漫画と違って体依りも心から流血すると思しき物語」にせよ、精神的圧迫感を覚える事があります。
淡く柔らかな作画、取り分け人語猫達に代表されるほのぼの振りに心癒され、ささやかな幸福を抱きしめて苦衷に堪える零君達に励まされつつ、楽しむべきですが・・・
川本家に森信雄七段門下を想起されたそうで、目から鱗が落ちました。確かに質朴を良しとなさる森先生が好まれそうな、雰囲気を漂わせています。
modelに関しては山崎君云々依りも、「勝負に浮沈する天才の懊悩」にせよ「rivalsに心は開いても弱みは曝さない付き合いの難しさ」にせよ、棋士に普遍的な要素が零君に投影されているでしょう。逸材の弟子入りに纏わる騒動も、村山先生に限らず屡々発生する様です。
ニカイドウ君に関しては、誌上掲載時のChapt.02で登場した対局通知こそ『二海堂』と記載されていますが、『我が二階堂家に・・・』と語っていますので余りお気になさらないで下さい。因みに私はATOKに登録しました。
02で観た限りでは村山先生の村の字もありませんが、親友たる先崎先生がご監修という点で、想像を逞しくすべきでしたかも。

思えば人気作家と一括りにしても、大いに貢献した筈の出版社を提訴し「相棒たる編集部員に嘲弄された挙げ句に、作品迄蔑ろにされた旨主張なさっている」先生もおいでなら、「絶大な人気と編集部の超VIP待遇を背景に、自由闊達な筆を揮っている」先生もおいでの漫画界。
棋界と引き比べても仕方ないにせよ、色々と考えされられます。

 はじめまして。
 私は『ハチミツとクローバー』は苦手なのですが
(舞台となる大学という場所、登場する大学生という存在に、自分もその場所に4年と半年間嫌々通って、良い印象がないのが原因のようです)、『3月のライオン』はとても励まされるというか、疲れた金曜日に読んで前向きな気持ちになれることが多いです。ちょっと成り行き任せの展開では、と思うところもあるし、いわゆる「漫画的」な感情表現・人物描写に共感できない場合があるにせよ、何か不思議な力を感じます。一分の隙もない描画で構成された『月下の棋士』(私はこの漫画---劇画?---も苦手)よりも、ずっと魅力的な世界です。
 第1回を読んだときに、あの川沿いの古い家に何となく森信雄門下の雰囲気を感じ(あちらは関西の下町ですが)、だとしたら主人公は山崎隆之七段をもっと暗くもっとかっこよくしたような感じか?、などと思ったりもしたのですが、その後村山九段モデルの二海堂君も登場してきました。ともかく今後が楽しみです。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/65884/41319252

この記事へのトラックバック一覧です: 名もなき烈情:

« 更新履歴 | トップページ | 第67期C01順位戦初戦報告 »

ブログパーツ

  • TweetsWind
    吹き流されない程度に拙つぶやきの風をお感じ頂きたい
  • Twitterリンクをフォローする
    拙アカウントを未だフォローしておいででない方はこちらからもどうぞ
  • Twitterリンクを共有する
    拙ウェブログのアドレスをご紹介なさりたい方はこちらからどうぞ
  • @YoshiyukiKubotaへツイートする
    単発でも遠慮なくツイートをご送付頂きたい
  • #shogi をツイートする
    将棋に関する話題がおありの方はこの機会にどうぞ
  • BlogMail
    返事無用!のご意見ご感想をお気軽に。
    正式なご連絡の場合は各種必要事項をご記入あれ
  • 名人戦番勝負及び順位各組回戦対局日程
    名人戦番勝負及び順位各組回戦の対局予定が、一目瞭然!
    詳細は是非ご契約を
  • 日本将棋連盟モバイル 中継予定
    ライブ中継予定が気になるが、週刊将棋も対応端末も手元にない!
    そんな折りにも慌てずに
  • インターネット人権侵害問題対策バナー9
    相手が先輩であれ後輩であれ、ブログ記事等での人権侵害(名誉棄損他)の当事者化はNGと痛感中
  • 電力使用状況お知らせブログパーツ TEPCO版
    視覚的効果に依る、電力消費抑制にお役立てを

お薦め棋界関連書籍

無料ブログはココログ

ウェブページ