勝利と慰安
[第56回NHK杯TV将棋トーナメント03回戦06局(NHK)]皆さんには、お楽しみ頂けただろうか。
最近気分が沈降していたので、私にとっても大いに慰安になった。
将棋自体は劇的だったと思う。
飛車が2八から動かなかったが、偶にはこんな事があってもいい。
中盤迄は中田流の軽妙な展開にさせた事もあって、少し指しにくい流れだった。
対局中は「難しい。気持ちが途切れない様に」程度に考えていたが、41手目▲5四歩は指が撓った。
正に『ダイアモンドをカットするための鏨の最初の一撃』と言えるが、49手目▲6六馬迄一連の構想であれば、最高だった。
62手目△5八角で△6六金▲7八玉△7六金の筋を感想戦で述べた際、「やっぱり(▲8三桂成以下)詰みありますよね」と呟いたが、詰み若しくは手順に7六金を抜く筋はない様だ。
先手陣に未だ余裕があるので、本譜同様▲7四歩で勝っているが。
解説に関しては、解説の杉本昌隆(まさたか)七段にせよ聞き手の中倉宏美女流初段にしても、戸惑わせたかも知れない(微苦笑)。
杉本先生が昨年09/21-22日に「東西合流研究会」を催した旨言及なさったが(増田裕司五段の手腕に依る物で、持つべき物は何とやらと頭を垂れる)、『窪田振り飛車の神髄をね、見せられましたよ』と仰いつつも、私は杉本先生に02連敗している(全06局のleague戦方式)。
公式戦でも01敗しているが、何れ復仇の機会を得たい。
中倉さんが『いろいろこう盤側にも、飲み物とか栄養ドリンクが、グッズが並んで、画面には映らない方に』と紹介してくれた。
対局用goodsの選別は常々気を使うし、(付け珍事発生の紅白程ではないが)NHK杯となれば尚更。
とは言え、無label瓶に保冷剤込みで入れた目薬位は、ご用意のお盆に置かせて貰うべき。昨今流行の携帯お絞りを持参していたが、毎回本物を出して頂いている以上無用だった。
11:26に終局したので感想戦をじっくりご覧頂いたが、我乍ら理解し辛い語調&やり取りにしてしまった。
杉本先生や中倉さんにも水を向けた積もりだが、映像に反映されていない感じ。
通常の感想戦では、最小限の符号や指示語で話すなり急所を指差すなりすると如何にもproらしい。
尤も、収録上はくどい位に具体的にした方が良いに決まっている(盤上で変化を動かす時に相手の意向を注意すべき点は、通常通り)。
増して難解な手将棋でもあった。
「ゆっくり、はっきり、簡潔に」お話しする為にも、もっともっと実地訓練を積みたい。
[NHKテキスト将棋講座(NHK出版 Online Shop・画像は01月号)]03月号に、内田晶(あきら)週刊将棋記者の観戦記が掲載される。
お電話でも補足したが複雑怪奇な変化が多いので、どう纏めて下さったか気になる。
皆さんにもご確認頂ければ、幸甚の至り。
先日-「△(指し掛け)」。午後から北松戸で書芳会に参加して書き初めを決め込む。夕方は昨年から面倒を見ている小学6年生の子と中2のお兄さんに合流し、面倒を見る。技術的にはともあれ、元気を貰った感じ。
こよいは、ここまでにいたしとうございます(by大井夫人@武田信玄)
追記
03日前に美容院にも行って身だしなみに留意した筈が、後頭部が跳ねていた。stylistさんが見ていてくれればと思わされる。
こういう状態を阿呆毛と言った様な、頭頂部でないので違う様な。
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>堂々たる勝利と準決勝進出、おめでとうございます。
いつも乍らありがとう御座います。常々ご覧になって飽きないかも知れませんね(笑)。
中田先生の首傾げは「これ位捌けるだろう」との思いでしょう(26手目△4五桂!もこれぞ「コーヤン流」の一着でした)。61手目▲5六玉は△4七角が8三への効きで気になりましたが、▲5五玉で角が遊び明快だった様で、正に岡目八目です。42手目△5四同歩は▲4四馬△7二玉(△5三金は▲6六馬)▲7五桂で手勝ち。80手目△7三同角は切れ筋です。前者はご希望通りの感想でしたが、惜しくもcuttingされてしまいました(30分強あっても難しい物です)。くどくなりますがtestも是非ご覧下さい。序でに明日(明後日?)の勝利もお見せしたいですが、どうなりますやら。
投稿: 窪田義行 | 2007年1月15日 (月曜日) 午後 11時24分
期待にそぐわぬ見事な指しまわしで堂々たる勝利と準決勝進出、おめでとうございます。感想戦でも後手良しの変化がなかなか出てこず中田功七段が「こんなはずでは・・」といった感じで首を傾げていたのが印象的でした。序盤からの手将棋でいちおう競り合いのかたちにはなったものの、先手には悪手・疑問手が全く見当たらないので「完勝譜」と呼んでも差し支えないのではあるまいか、と。
小生が一番手に汗握ったのは△6六歩、△6五歩と王頭を連打されたとき・・・「5六、5六」と念力をかけたのですが叶いませんでした(何とかの一つ覚えというやつでして他意はありません)。
感想戦も充実したいて大いに勉強になりましたが小生程度以下の棋力のアマチュアにはやはり内容が高度すぎたかもしれませんが、これは対局者お二人のせいではなく、要所要所では解説者と聞き手があえて「視聴者のために」補足をお願いするべきだったかな、とも感じています。たとえば手裏剣▲5四歩が決まった場面。プロ的には受けがなく困っているし形勢も悪いと中田さんがすでに諦め気味だったのも手伝って「受けがないんだよね」で片付けられてしまいましたが、初心者の視聴者にとっては▲5四同歩以下の変化はやはり盤面で示してほしかったのではないかな。最後の▲7三歩成に対する△同角のときの寄せ方。詰み筋
も時間さえあれば、と少々残念でしたがが、近年テレヴィで鑑賞できた最も充実した感想戦であったのは否定出きぬ事実なのではないでしょうか。
明日の順位戦、いつでもそうですが単なる勝ち負けを超えた「いい将棋」を期待しています。もちろん戦果が伴えば理想的。南戦の前に弾みをつけるためにも祈る必勝!
投稿: welshrabbit | 2007年1月15日 (月曜日) 午後 10時31分
返信ありがとうございます。前回の返信をもらったときにお礼を書き忘れましたので、ここでお礼を言わせてもらう事にします。
やはり日本酒ではなかったのですか^^。酔えば酔うほど手が見えてくる---酔拳の将棋版のような感じでしたらそれはそれでかっこいいかもしれませんね。
ああいうパフォーマンス?はとてもかっこよく見えます。(実は飲んでいるところをカメラは写して欲しかったくらいです)
好きな棋士が勝つととてもうれしいし、特に窪田さんとはこうやって言葉を交わしてもらっているので特別うれしいです。今週の順位戦も応援しています。
返信の感謝を伝えようとコメントしたのですがいろいろ長くなってしまいました。ちなみにこのコメントには返信しないでもらえるとありがたいです。返信されますとまたそれに対するコメントを書きたくなりきりがなくなってしまいますので^-^
投稿: ふわふわ猫 | 2007年1月15日 (月曜日) 午後 04時46分
>62手目△6六金なら▲7八玉△7六金▲7四歩の詰めろ以下の手順
こちらこそ初めまして。良いご質問ですね。▲7四歩の詰めろは直ぐほどかれますが、小鬢をこじ開けて攻防の▲5五角が狙いです。ご指摘の▲5四桂以下は詰みですので△6四桂と受けますが、▲5三飛で勝ち。△7八金では単に△7五金と弾切れを防ぐ手が正着ですが、▲7三歩成△同桂▲同と△同玉▲5五角△6四桂に▲7八香(8九への角効きを遮断)△7七歩▲同桂で手勝ちとなります。
肚を決めて▲7四歩と打てれば、本譜の▲7七香や▲5五角の様な攻防手で自然に勝ちが出て来ます。先の▲5四歩同様に値千金の一手と言えるでしょう。
投稿: 窪田義行 | 2007年1月15日 (月曜日) 午後 12時55分
初めてコメントします。NHK杯面白かったです。
62手目△6六金なら▲7八玉△7六金▲7四歩の詰めろ以下の手順は、△6七角▲8八玉△7八金▲9八玉△7五金▲7三歩成△同桂▲同と△同玉▲5五角△6二玉▲5四桂ですかね?
途中、△7八金に代えて△7五金なら▲7八香△7六桂▲同香△同角成には▲7七銀で大丈夫ですか?
投稿: K.O | 2007年1月15日 (月曜日) 午前 10時55分
>NHK杯の対局を見させていただきました。とても面白かったです
感謝致します。なかなか反響がないので紅白同様視聴率を気にしていた所です(笑)。盤外に関しても格好良さを見出して下されば、棋士冥利に尽きます。
のっけから驚かせてしまいましたが、佐藤康光棋聖ご愛飲「外国産発泡鉱泉水」の堅いcapを慎重に開けたつもりが、胸元のmicrophoneにしっかり音を拾われていた次第です。
投稿: 窪田義行 | 2007年1月14日 (日曜日) 午後 10時46分
こんばんは。NHK杯の対局を見させていただきました。とても面白かったです
素人目には序盤窪田さんがすごく有利に見えてこれは圧勝するんじゃないかと思いましたがそこはさすがプロの試合で最後は際どい展開となりさすが違うなと思いました。最後詰ますときは華麗で時々のno time打ちや考えるときに目を瞑る姿もかっこよかったです。
中田7段も負けはしましたが魅せてくれたと思います。次回の南9段との対戦も今から楽しみです。
序盤いきなり中田7段が長考されているとき、パリパリという音が聞こえて何の音だろうと思っていたら窪田さん側から緑色のビンの底が出ていました。日本酒のビンのように見えてビックリしました(笑)
投稿: ふわふわ猫 | 2007年1月14日 (日曜日) 午後 08時57分